『テザ 慟哭の大地』パンフレットに掲載される、ハイレ・ゲリマ監督のインタビューからの抜粋です。この発言を読むとどんな映画か気になりませんか?
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———最初にお聞きしたいのは、あなたが過去に口にされた「武器としての映画」についてです。どういうことか教えてもらえますか?
すべての戦い、衝突、対立は物語から始まります。問題は、それが誰の物語なのかということ。アフリカには400年もの長きにわたる植民地支配の物語がありますが、それを伝えるチャンスが、特に映画の世界では、ほとんどありませんでした。祖母や両親と火を囲んで話すことはあっても、世界へ向けて、自分たちの側の物語を発信することはなかったのです。これは私にとっては武器です。カメラそのものが武器です。物語を発信し、主張し、「自分はここにいる」と告げる。私にとっては世の中にあふれる銃よりも、はるかに優れた武器ですよ。
———『テザ 慟哭の大地』は製作に14年かかっていますね。
製作ではなく資金集めにです。
エチオピアでの撮影は8週間でした。アジス・アベバで3週間、タナ湖やムッソリーニ山を撮ったゴルゴラで5週間です。
資金は十分ではありませんし、天気と戦い、個々の登場人物と戦いながらの8週間ですから、これはもう奇跡でした。カメラマンのマリオ・マシーニに負うところが大きいと思います。彼の撮影した『父 パードレ・パドローネ』(パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督)を見たのは、私がまだ学生の頃で、私にとってマリオと仕事ができるのは、たいへんな名誉でした。
ドイツでは、わずか6日間。15日あれば助かったところですが、6日で撮影しました。多くの人の努力のたまものです。編集は時間がかかりました。資金の有無とは無関係に、私は映画をパンケーキやハンバーガーのように扱いたくありません。映画には形があって内容がありますが、これが感情に変わるまでには編集室での苦闘があります。育ち盛りの赤ん坊を抱えているようなものです。私は通常1年から2年ほど時間をかけます。ただ、ここでもやはり資金の問題がありました。編集とサウンドトラックにかかった時間は、ひとまとめにすれば1年ちょっとだと思います。ただ資金の関係で後回しにしたドイツでの追加撮影などもありましたし、実際にはかなりの時間がかかっています。
———資金集めですか。なるほど。『テザ』はどのような作品でしょうか。
全体としては、居場所をなくしたアフリカの知識人層の話です。これは私の世代が経験したことですが、外国から近代化をもたらすべく、私たちは国外に出されます。まるでちょっと水汲みにでも出かけるかのように。異国での出会いと人間関係は、この旅の魅力的な部分ですが、それも私たちは崇高な使命のために拒否します。いわばどこにも居場所のない、宙ぶらりんの状態となるわけです。こうしたアフリカ人は多くいましたが、彼らの物語が伝えられることはなく、その内面の葛藤を誰も知りませんでした。
———自伝的な作品でしょうか。
私自身の物語とも重なりますが、集団的な自伝という言い方を私は好みます。
(以下、全文はパンフレットに掲載されます)
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